神戸新聞社「マイベストプロ神戸」コラム(第8回)
神戸新聞社・マイベストプロ神戸でコラムを書かせていただいています!
第8回は「機械式時計の点検と整備」について。
市場には様々なブランドの時計が出回っています。
時計を趣味になさっている方も多いことと思いますが、ご自身の時計の
メンテナンスについて考えたことがありますか?今日は"機械式時計"と
呼ばれるグループの点検と整備について触れてみます。
まず「オーバーホール」という言葉を聞いたことがあるという方は多いと
思いますが、これが自動巻や手巻きをはじめとする"機械式"と呼ばれる
機構の腕時計をメンテナンス(点検と整備)することを指します。
自動車に例えてみましょう。自動車には1年点検が実施されています。
大きなトラブルを未然に防ぐため、多くの方が受けられているはずです。
腕時計も同じ。動力は小さいながらローターが回ったり、竜頭を巻くことで
ゼンマイが歯車に動力を伝えて針を動かしてます。時計雑誌などで見る
機械の振動数、21600や28800振動などと書かれていますが、これは
振り子が1時間に動く回数を指しています。簡単に言うと、耳を澄ませば
聞こえてくる「チチチチチ...」という音ですね(ニュアンス的に)。これから
計算すると、28800振動の機械が24時間で振れる回数は691,200回。
これだけ振り子が動いていると考えたら、油を差さなければ摩擦によって
部品の摩耗が起こることは分かっていただけると思います。これだけに
限りませんが、このような小さな狂いが時間の狂いとして出てくる訳です。
オーバーホールの周期は潤滑油の性能が発揮される期間が3~5年と
いうことから「3~5年推奨」とされています。単純に潤滑油だけの問題では
なく、防水性能もパッキンの劣化で落ちていきますので点検は重要である
と言えます!よくあるんです。買い取った時計の中身が錆びだらけとか...。
錆びたムーブメントほど、ややこしいものはありませんのでご注意を(汗
今回は点検と整備について書かせていただきました。これを機会として
お手持ちの時計のオーバーホール時期を確認していただきたいと思います。
工賃や交換部品代はメーカーによって異なりますが、決して安いものでは
ありません。それは、時計職人さんが1つ1つ手作業で気の遠くなるような
工程を経て調整を行っているからです。せっかく頑張って購入した高級時計、
「壊れるまで頑張る」なんて方も中にはおられますが、それは節約ではない
ことをご理解いただけたらと思います。
ちなみに...
藤井質店では、当店が販売した製品に限り「オーバーホール」や「修理」の
依頼を受け付けております。一般のお客様からのご依頼は、今のところ
受け付けておりませんので予めご了承くださいませ。
※どこへ修理に出せば良いかなどのご質問は気軽にしてくださいね(^^
それでは「7月10日(土)の金プラチナ買取価格」をお知らせします。
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